Perfume、振り付けを3Dデータ化した初のNFTアートを販売

2022 4/03

2021年6月21日 2022年4月3日

URLをコピーしました！

音楽ユニットの「Perfume」は2021年6月11日、メンバーの振り付けを3Dデータ化したデジタルアートのNFTを販売した。NFTはオークションサイト「NFT-Experiment」に出品され、販売開始価格は100MATIC（約1万4700円）であった。なお、オークションは18日午後9時まで行われる。

今回販売されたのは、Perfumeのパフォーマンス「Imaginary Museum “Time Warp”」の振り付けを基に各メンバーの特徴的なポーズを3Dデータ化したものだ。これは2020年のデビュー記念日に開催したオンラインフェス「“P.O.P” Festival」で披露された。

Perfume 初のNFTアート「Imaginary Museum “Time Warp” 」最初の作品がライゾマティクス独自のプラットフォーム「NFT Experiment」(環境負荷を軽減したPolygonを採用)にて、本日21:00より販売スタートとなります！
NFT Experiment👉 https://t.co/ZniPAdWKiT

詳細は👉https://t.co/YifEhTIwdZ #prfm pic.twitter.com/Nu83P9IFuB
— Perfume_Staff (@Perfume_Staff) June 11, 2021

今回の作品には「Polygon（ポリゴン）」という仕組みが使われている。ポリゴンとは、イーサリアムのブロックチェーンが持つ、「ガス代（手数料）の高騰やトランザクション（取引）の遅延といった問題の解決を期待できる技術だ。

ポリゴンでは、コンセンサスアルゴリズムに「プルーフオブステーク（PoS）」を採用している。ビットコインなどの多くの仮想通貨には、複雑な計算を最も早く解いたコンピューターがブロックを承認する「プルーフオブワーク（PoW）」が採用されている。PoWでは、計算量（=仕事量：Work）が多い人ほどブロック承認率が高い。

それに対して今回採用されたPoSでは、保有資産量（Stake）が大きい人ほどブロック承認率が高くなる。つまり、計算量ではなく資産の保有量でブロック承認されるため、PoWほど複雑な計算を解く必要がなくなる。これにより、コンピューターを動かすのに必要な電力が少なくすむ。それゆえ、PoSを採用するポリゴンは、環境負荷が小さく、トランザクションの高騰を解決するとされている。

＜Polygon（ポリゴン）とは＞

今回採用された「Polygon（ポリゴン）」について補足しておこう。

ポリゴンとはイーサリアムに特化し、スケーリングの課題を解決するソリューションを開発しているインド発のプロジェクトだ。以前はMatic Network（マティックネットワーク）という名称で知られていたが、2021年に入ってから現在のプロジェクト名に変更している。

ここでいう「スケーリング」とは、簡単に言えば取引の処理速度やその数のことを指す。

多くのNFTマーケットプレイスは、イーサリアムのブロックチェーン上に存在している。しかし最近では、イーサリアムの価格上昇などによってトランザクション（取引）発行数が大幅に増加している。これにより、イーサリアムのガス代（手数料）の高騰や取引の遅延が発生するなどの課題が生まれている。このような状況が、スケーリングの問題にあたるというわけだ。

この問題を解決するのが、ポリゴンである。ポリゴンはイーサリアムのブロックチェーンを使用しながらも、ガス代を安価に実行できるレイヤー2ソリューションを活用している。

レイヤー2とは、ブロックチェーン上（レイヤー1）に記載されないオフチェーンのことを指す。全ての取引をブロックチェーンに記載すると、その分ガス代と時間がかかる。オフチェーンで取引を実行することで、セキュリティを担保しつつガス代とスケーリングの問題を解決することが可能となる。

今や世界で名の知れたPerfumeがNFTを発行したことで、NFTの認知度が一気に向上することが期待される。さらに、環境負荷の少ない仕組みを活用したことで「環境にやさしい」「クリーンである」といったよいイメージを抱く人もいるだろう。それゆえ、総合的に判断すると、今回のニュースはNFT業界にとってポジティブなものとなる。

現在のNFTブームにより日本でもコインチェックやNANAKUSAをはじめとしたNFTプラットフォームが続々と出現している。

しかし、プラットフォームは使う人があってこそのものだ。今回のニュースでNFTの認知度が高まれば、NFTに興味を持つ人も増えるだろう。中には実際にプラットフォームを活用して取引を始める人もいると考えられる。そのため、今後はますますNFT業界が盛り上がっていくのではないだろうか。