イタリア半島の中東部に位置するサンマリノ共和国の総協議会は、新型コロナウイルスのワクチン接種パスポートにNFT技術を活用することを正式に承認した。約3万3000人の人々が暮らすサンマリノの国土面積は、わずか十和田湖程度の大きさで世界でも5番目に小さい。また、サンマリノは世界最古の共和国としても知られる国家である。
今回のプロジェクトでは、ブロックチェーン事業を手掛ける企業のVeChain(以下、ヴィチェーン)が技術提供を行った。
NFTを導入することにより、情報の信憑性が保証された状態で、ワクチンの接種状況をデジタル上で証明できるようになる。さらに、過去の感染記録や、陰性の検査結果等のデータも記録される。このように感染リスクを国家規模で管理できるようになるため、データによって安全性が証明された場合にのみ領域内の移動制限を緩和するといった施策が可能となる。
ワクチン接種パスポートは、サンマリノ保険当局が承認した機関で発行される。この証明書にはQRコードが含まれており、スキャンすると個人のデータにアクセスできる。
ノルウェーに本部を構える国際的認証機関のDNVも本プロジェクトに協力しており、NFT技術を活用してワクチン接種パスポートを発行するのは革新的なソリューションであると報告した。
DNVのグロース・イノベーション担当取締役であるRenato Grottola(レナート・グロットラ)氏は、今回のサンマリノの取り組みに関して以下のように述べている。
ヴィチェーンのブロックチェーン技術、及びNFT技術を活用することで、情報の信憑性を向上させ、偽造のリスクを軽減することができる。
また、ヴィチェーンのCEOを務めるSunny Lu(サニー・ルー)氏は、NFTの将来的な可能性について次のように語った。
我が社はNFT事業を開始させて間もないが、今回のワクチン接種パスポートは、新型コロナウイルスの流行を抑止するための政府の取り組みをサポートする新しいソリューションであり、NFTはこのような事態に役立つ完璧な技術である。さらに、政府と公共団体、民間企業が協力して、信憑性が保証された証明書に基づいたシステムを生み出すうえで、ヴィチェーンのブロックチェーン技術はバランスの良いインフラを提供できる。
NFTはこれまでにアート、スポーツ、ゲームなど様々な業界で用いられてきた。しかし、今回のサンマリノの取り組みによって、NFT技術を国家レベルで活用できる可能性が高まった。NFTは、人々の生活を支えるのに欠かせない技術としてこれから世間に浸透していくのではないだろうか。
参考URL:
https://finance.yahoo.com/news/san-marino-approves-blockchain-covid-110238355.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%8E