がん細胞の画像をNFT化するプロジェクト「BUY MY CANCER(バイ・マイ・キャンサー)」が注目を集めている。
がん患者の支援を行っているAlivia Cancer Foundation(アリビア・キャンサー・ファンデーション)は、科学やアート、医学、テクノロジーを融合させることでがん患者の命を救う取り組みをスタートした。
世界的に有名なアーティストによって、実在する生きたがん細胞の顕微鏡写真がアート作品に生まれ変わる。これらのアート作品はNFTコレクションとして販売され、売上はがんと闘う患者の治療費にあてられるという。
第一回目のBUY MY CANCERでは、CAR-T細胞療法を用いた血液がん(代表的な希少がんの一種)との闘いに焦点を当てる。
CAR-T細胞療法は患者自身の細胞を利用した最先端の治療法だ。難治性のがんを治療するために開発され、高い臨床効果も証明されている。
しかし、治療費が極めて高額であることが課題に挙げられている。
BUY MY CANCERの公式ページによると、患者一人当たりの治療費は40万ドル(約5,400万円)にも及び、全てのケースで保険が適用される訳ではない。
公益社団法人の全日本病院協会が公開した2019年6月のニュースによると、CAR-T細胞療法に用いられる注射製剤のキムリアは3,349万円に算定された。このように、日本国内でもコストがかかる治療法であることがわかる。
高額な治療費が原因でCAR-T細胞療法を受けられない患者に対して、Alivia Cancer Foundationは今回のプロジェクトを立ち上げた。
本プロジェクトがどのように実施されるのか、流れをまとめよう。
- 教授が患者をセレクトする
- 患者のがん細胞を撮影する
- アーティストが写真を使って作品を作る
- NFTが販売される
- 患者が治療を受ける
- 次の患者に取り掛かる
医学の専門家としてJacek Jassem(ヤツェク・ジャッセム)氏とSebastian Giebel(セバスチャン・ギーベル)氏を迎える。アーティストにはベルリンやロサンゼルス、ブリストル、ワルシャワなどで活躍するPaweł SWANSKI(パヴェル・スワンスキ)氏を起用。
また、本プロジェクトを進めるにあたって、ヨーロッパで知られている法律事務所のWolf Theiss(ウルフ・タイス)や国際法律事務所のBird & Bird(バード・アンド・バード)、クリプトによる寄付活動を推進するThe Giving Block(ザ・ギビング・ブロック)などとパートナーシップを締結している。
画期的なBUY MY CANCERの取り組みが成功すれば、将来的にNFTが病気と闘う人々を救う新たなソリューションとして活用されていくかもしれない。
参考URL:
https://www.buymycancer.org/en/home#alivia
https://alivia.org.pl/english/