前米大統領であるドナルド・トランプ氏は12月15日、自分の姿を描いたNFTデジタルトレーディングカード「コレクト・トランプ・カード(Collect Trump Cards)」の販売を発表した。
このNFTコレクションは、発売直後すぐに完売した。同コレクションの公式ツイッターでは、販売開始から約14時間後の日本時間12月16日15時ごろにはすでに売り切れであることが報告されている。
トレーディングカードNFT「コレクト・トランプ・カード」の販売は専用プラットフォーム「Collect Trump Cards.com」で行われた。カード購入者は、ドナルド・トランプ氏と直接会って話せる、一緒にゴルフプレイができる特典に応募できる権利が手に入る。
1人あたりが購入できるNFTの数は100個までで、ひとつのNFTにつき応募は1回のみとなる。さらに、トレーディングカードNFTを45枚購入した人には、南フロリダにおいて行われる同氏とのディナーに参加できる特典が付与されるという。
カードには、トランプ氏が宇宙飛行士やヒーロー、レーサーなどになったイラストが描かれている。各デザインのNFTは最大20個まで発行された。
同NFTはポリゴン(Polygon)のブロックチェーン上において合計45,000枚発行され、そのうち44,000枚が「Collect Trump Cards.com」で1枚99ドルで販売された。決済はWETH(Wrapped Ether)またはクレジットカード利用のみとなった。
NFT市場においては、11月に暗号資産(仮想通貨)交換業者であるFTXの破綻などがあり、急速に低迷しているのが現状だ。実際に、調査会社デューンによれば、世界最大のNFT市場「open sea」の11月取引高は、2021年6月以来の低水準となった。
トランプ氏は2024年の大統領選にも出馬を表明したが、中間選挙において期待外れの結果となったり、反ユダヤ主義者との会食をめぐり批判されたりと問題に見舞われていた。そんな中、SNSで「重大発表」を予告し、選挙戦関連で大きな動きがあるのではと憶測されたが、今回の発表となり政治関連者の間では拍子抜けしたとの感想が相次いだ。
今回の発表は当初、Twitter上で詐欺なのではないかと批判を集め、トランプ氏のソーシャルメディア企業の合併を進める特別目的買収会社(SPAC)である「Digital World Acquisition Corp」の株価は約7%下落している。