Google Cloudは11月6日、バリデータとしてソラナ(SOL)ネットワークに参加していることを発表した。
同社は今後の計画として、ソラナ対応の「Blockchain Node Engine(BNE)」立ち上げや、「BigQuery」にソラナのデータ追加を予定しているという。
今年10月の仮想通貨取引所「Coinbase」との提携に続き、暗号資産分野への参入をアピールする発表が続いている。
バリデータとは、ブロックチェーンに記録されたデータの内容が正しいかどうかを検証するノードで、ブロックチェーンネットワークでも特に重要な役割である。
バリデータとしてソラナネットワークに携わる中で、ソラナデータのインデックス(高速にデータ検索するための索引)を作成し、2023年には自社のデータウェアハウス「BigQuery」にソラナデータを追加する予定となる。
BigQueryは、機械学習などを用いた大規模データ解析に強く、数テラバイト以上のデータを数秒〜数分で処理できる。
BigQueryにソラナデータを追加することで、過去のソラナデータに高速にアクセスできるようになり、データ解析が容易になっていくことが予想される。
さらに、Google Cloudは「Blockchain Node Engine(BNE)」をソラナに対応させる方針を明かした。
BNEはWeb3開発者向けのブロックチェーンノードホスティングサービスだ。これを利用することで、データの読み書き、スマートコントラクト、トランザクションの展開といったWeb3システムに必要な機能をGoogle Cloud上で実現可能になる。
Google Cloudといえば、今年10月に発表されたCoinbaseとの提携が記憶に新しい。Coinbaseのカストディサービス「Coinbase Prime」を利用して、Google Cloudの利用代金を仮想通貨で決済可能にする計画が進行しており、来年には提供予定となっている。
このニュースに続く形で今回のソラナ提携発表となったため、Google Cloudの暗号資産分野本格進出はいよいよ現実的なものとなってきている。
このような大型クラウドサービスのWeb3参入は、今まで強固なインフラ基盤の欠如に悩まされてきたWeb3開発者にとっては望ましい出来事である一方、「大企業の中央集権的な介入は、分散型システムを掲げるブロックチェーン技術とは対極のものだ」という批判の声もある。
Google Cloudが今後暗号資産分野でどのようにサービスを展開していくのか、AWS(Amazon Web Service)、Microsoft Azureといった競合クラウドサービスとどう差別化していくのか、世界中が注目している。