高級寿司の出前やパフォーマンスを提供している「鮨 渡利」が、寿司職人の技術をNFT化した「SUSHI TOP SHOT(スシ・トップ・ショット)」を配布することを明らかにした。職⼈技をブロックチェーンに刻む世界初の取り組みであるため、多方面から注目を集めている。
音声技術の開発を行っているエヴィクサー株式会社が提供する音響透かし技術の「Audio Watermark(オーディオ・ウォーター・マーク)」を活用し、7月24日21時に開催予定のオンライン配信で、江⼾前寿司の包丁さばき等の音がNFT化される。
音響透かし技術は、放送音などの音声信号に暗号化した情報を埋め込み、マイク集音から情報を検出するシステムだ。これまでにスタジアムや劇場などで、広告やクーポン配布を目的として利用されてきた。
この音響透かし技術とNFTを組み合わせることで、特定のイベントやライブでしか入手できないデータの価値を創造することが可能になる。
今回の企画は「SUSHI NINJAプロジェクト(スシ・ニンジャ・プロジェクト)」と名付けられ、当日は「SUSHI TOP SHOT」の公式Twitterアカウントからイベント動画が配信される予定だ。
特設ページに自身の所有する仮想通貨ウォレットを接続すれば、配信中の動画で音響透かしが検知されて、NFTを入手できる仕組みになっている。NFTによって「聴いた」ことを証明できるので、唯一無二の価値を所有できるというわけだ。
また、国産マーケットプレイスの「nanakusa(ナナクサ)」で「SUSHI TOP SHOT」の限定版NFTが7月7日から1週間にわたって販売された。穴子、トリガイ、赤身、ウニ、車海老、鉄火巻、のど黒などの寿司ネタが1日1種類ずつ販売され、全てのNFTを集めた人は「鮨 渡利」の実店舗でドリンクサービスを受けられる。
新型コロナウイルスの流行により飲食業界は大きな影響を受けた。そんな状況の中でも、NFTを活用することで料理技術や食文化を多くの人に知ってもらうことができる。また、日本ならではの食文化を海外のファンに伝える場所としても活用できるので、今後世界に向けて、様々な企画が発信されていくであろう。
さらに、SUSHI NINJAプロジェクトのように「行動」を証明することを目的にしたサービスや、マーケティングの需要も高まっていくことが予想される。
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