ロイター通信の報道によると、2021年のNFT販売量が25億ドル(約2740億円)を達成したことが分かった。これは2020年上半期の販売量の1370万ドルをはるかに上回る驚異的な記録だ。
NFTとは、デジタルアートや動画などのデジタル作品にブロックチェーン技術を活用した「デジタル証明書」を発行することで、所有権や真贋の証明が可能になる技術である。これまで価値の担保が難しかったデジタル作品もNFT化することで立派な資産となりえることから、最近ではNFTの需要が高まってきている。
特に2021年は、NFTが爆発的に広まった年である。3月にTwitterのジャック・ドーシーCEOの初ツイートが約3億円で取引されたり、ビープルのNFTアートが6930万ドル(約75億円)で落札されるなど、高値で取引されたニュースが目立った。ちなみに現段階では、ビープルを超える価格のNFTはまだ現れていない。
イーサリアムのブロックチェーンでNFTトランザクションを集約しているNonFungible.comのデータによれば、3月はNFT購入者が毎週1万人増加し、販売者を上回った。NFTに興味を持つ人が増加し、市場の規模が拡大。それに伴いNFTの需要が高まったことが分かる。
また、人気のNFTのジャンルも明らかにされている。人気ランキングは以下の通りだ。
- 1位:蒐集品
- 2位:スポーツ
- 3位:アート
- 4位:ユーティリティ
- 5位:ゲーム
- 6位:メタバース
このランキングから、蒐集品が圧倒的に人気であることが分かる。蒐集品の取引高は367,129と、2位のスポーツの299,684よりも大きく上回っている。
蒐集品と言えば、代表的なものがトレーディングカードである。日本でも、SKE48の松井珠理奈さんの卒業記念にNFTが販売されるなど、アイドルやV TuberがNFTトレカを数多く販売していた。
遊戯王やポケモンカードなど、日本でもトレーディングカード文化は根付いており、種類も比較的多い。世界的に見ても蒐集品が一番人気ということは、日本のNFTが世界を席巻することを十分考えられる。
たとえば、日本のアニメは世界的にも人気である。人気キャラクターのトレカを販売すれば、世界規模で注目を集める可能性が高い。すでに販売されているものもあるだろうが、さらに大々的に販売すれば、NFT業界での日本の存在感は大きなものになると考えられる。
NFT業界は下半期以降も、盛り上がりを見せていくと見られる。今後新たなNFTが誕生することも十分あり得るので、注意深く観察を続けていきたい。
参考URL: