2021年は世界中で新たなNFTマーケットプレイスがローンチし、日本でも多くのNFTマーケットプレイスが誕生している。
現状のNFTマーケットプレイスは誰もが気軽に利用できるものではないが、NFTが市民権を得るための鍵を握るNFTプロジェクトがある。
NFTのプロジェクトは多々あるが、中でも注目したい5つのNFTプロジェクトがある。
それが「Enjinプロジェクト(Enjin NFTマーケットプレイス)」、「RealFevr」、「Ralible」、「FTX NFT」、「Adam byGMO」だ。
今回はNFTの個人利用の起爆剤となる可能性が高い「Enjinプロジェクト」について解説する。
中島 翔
学生時代にFX、先物、オプションを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。あおぞら銀行でMBS投資業務に従事。三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワード、オプショントレーダー、Coincheckでの仮想通貨トレーディングとトレーダーを経験し、その後NYブロックチェーン関連のVCに所属しCWC株式会社を設立。
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Enjinプロジェクトとは?
Enjinプロジェクトはシンガポールを拠点とするEnjin社によって進められているプロジェクトの総称でNFTもそれに含まれている。
Enjin社はコンピューターサイエンスで世界トップクラスのロシア・サンクトペテルブルグ州立電気技術大学出身のCEOマキシム・ブラコフやCTOのウィテック・ラドンスキーが中心メンバーとなって2009年に発足された。同社のメンバーは世界中に散らばっており、分散型の開発チームで運営されている。
創業当初はゲームコミュニティ企業として誕生し「Enjin Network」というゲームコミュニティ・プラットフォームの運営からスタート、創業から10年間で2000万ユーザーを超えるプラットフォームに成長した。
Enjinプロジェクトの構想では、Enjinプラットフォームのエコシステム(経済圏)の拡大を目指している。その一環として、SDKと呼ばれるブロックチェーンの知識がなくてもブロックチェーンゲームなどが開発ができるモジュールをゲーム開発・運営企業に提供している。
SDKを提供すれば、ゲーム会社は手軽にEnjinプラットフォームを利用してアイテムのNFT化やNFTマーケットプレイスの構築などができるようになる。その結果、Enjinプラットフォームのエコシステムが徐々に広がっていくというわけだ。
Enjinプロジェクトで推進されている活動内容については、以下の通り。
まず、Enjin社の自社プロダクトとしては以下の5種類がある。
- ①ブロックチェーンプラットフォーム(Enjin Platform)
- ②ウォレット(Enjin Wallet)
- ③NFTマーケットプレイス(Enjin Marketplace)
- ④JumpNet(イーサリアムのガス代が無料でNFTを発行できる高速ブロックチェーン)
- ⑤Beam(QRコードを使用した次世代型マーケティングツール)
他に外部へ提供している基盤やソフトウェアとして以下の3種類がある。
- ①ブロックチェーンゲームの基盤
- ②独自ブランドのブロックチェーンエクスプローラーやマーケットプレイスの基盤
- ③NFTが利用できるソフトウェア
これらの基盤やSDKなどのソフトウェアを利用することで、ブロックチェーンのコーディング技術を一切必要とせずに分散型ブロックチェーンのシステム開発ができる仕組みを作っている。
Enjinプロジェクトの特徴と強み
Enjinプロジェクトは、「NFTをすべての人が利用できるようにし、 スマートフォンに搭載されている一つのウォレットで全てのNFTアイテムの保存、交換、売買が個人間でも自由にできる世界の実現」を目的としている。
CTOのウィテック・ラドンスキーが2018年に考案し、イーサリアムコミュニティにおいて正式規格のひとつとして承認されたイーサリアム規格にERC-1155がある。同規格はイーサリアムのNFT規格の一つでもある。
このERC-1155規格のトークンとして初めて開発された仮想通貨が、Enjinプラットホームで使用されるENJ(Enjinコイン)だ。
ブロックチェーン技術に踏み込んだ話になるが、ERC-1155規格の最たる特徴は、複数のトークンタイプを管理するコントラクトの標準インターフェースである点だ。
この規格を用いることで1回のトランザクションで複数のトークンが送信できる。
結果的に一回の転送に必要なブロック生成数を削減でき、イーサリアムのガス代が大幅に節約され処理速度も向上する。
今後、ブロックチェーンゲームやNFTが普及するためには、 NFTを発行・売買・交換する際にコストを抑える事が欠かせない。
それを実現できる規格がこのERC-1155だ。
つまり、Enjinプロジェクトは、来たるNFT時代の基幹技術となるために立ち上げられたプロジェクトだと言える。
Enjinプロジェクトが注目されている理由
2021年に入り高騰し続けているイーサリアムのガス代がNFT発行の大きな障害となっているが、2021年4月6日にEnjin社が、ガス代無料でNFTを発行し大量に配布できる高速ブロックチェーン「JumpNet」の第一弾を公開した。
公開後すぐにマイクロソフトやBINANCEを含む50以上のパートナー企業とNFTプロジェクトがJumpNetの利用を開始したと発表している。
このJumpNetの登場によってブロックチェーンゲームとNFTのプロジェクトが一層広く普及する基盤ができたと考えてよいだろう。
さらにEnjin社がJumpNetの次に公開するプロジェクトとして「Efinity」と名づけられたプロジェクトに注目が集まっている。
「Efinity」はJumpNetの第二段階が完了後に公開する予定だという。同プロジェクトでは、Enjin社による新しいNFT専用のパブリックブロックチェーンの開発を目指している。
「Efinity」に注目が集まる最大の理由は、他のブロックチェーンとも相互利用できる高速プラットフォームが実現できると期待されているためだ。
現時点での「Efinity」では、異なるブロックチェーン同士のクロスユースは難しい状態にある。そこで、同プロジェクトではPolkadotとの提携を計画している。両者が提携すると、異なる複数のブロックチェーンに対応した「Efinity」トークンの発行が可能になる。これにより、ブロックチェーン間の相互利用が実現する。
このように、「Efinity」が稼働を始めると、異なるブロックチェーンやプラットホームでNFTや仮想通貨のやり取りが可能になる。つまり、今まではそれぞれが点であったNFTプラットフォームがシームレスに接続される。
EnjinプロジェクトがNFTの普及を後押しする
イーサリアムのガス代を無料にするJumpNetは今後ブロックチェーンの世界に大きな影響を与える可能性が高い。
特に影響が大きいものは、2021年度中にも実現される予定のスマートフォンを利用したNFTのパーソナルユースだ。
これはスマートフォンにアプリケーションをインストールし、写真などのデジタルデータをアップロードするだけでNFTが発行される仕組みとなっている。まさに本プロジェクトの目的である「すべての人がNFTを利用できる」世界が実現される。
現状でもNFTマーケットプレイスのWebアプリケーションを使用して同様のことができるが、操作が煩雑であるためPC操作に慣れていないと難しいという課題がある。対して、Enjinプロジェクトが提供するツールは操作性も優れており、NFT発行も無料である。
同ツールが普及すれば、誰もが簡単にNFTを発行して、NFTマーケットプレイスや個人間でやり取りできるようになる。そうなると、NFTの市民権の獲得も遠い話ではなくなるだろう。
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EfinityのローンチでNFTは一気に拡大する
「Enjinプロジェクト」においては、特に「Efinity」に注目したい。
「Efinity」のローンチが成功することで、NFTマーケットプレイス自体の活性化とNFTの個人利用が進む可能性が高い。
マイクロソフトを始め、日本の大手仮想通貨取引所や企業とも提携しているため、「Efinity」の利用は間違いなく進むとみてよいだろう。
第2回の記事はこちらへ
参考URL:
Enjinプロジェクト:https://ja.enjin.io/
Enjin NFTマーケットプレイ:https://enjinx.io/ja-JP/eth/marketplace