2021年の仮想通貨業界はNFTに始まり、Metaverseに終わった年と言える。
Metaverseなどの仮想空間自体は古くからあるが、今話題のMetaverseはブロックチェーン技術を利用したものであるという点に違いがある。
もちろんそのブロックチェーンとNFTは密接な結びつきがある。
今、NFTの課題はキャズムを超えなければならないという点にあるが、もしかするとその糸口となるカテゴリはファッションNFTかもしれない。
そこで今回は、NFTファッションついての概要と特徴的な事例などについて解説したい。
中島 翔
学生時代にFX、先物、オプションを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。あおぞら銀行でMBS投資業務に従事。三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワード、オプショントレーダー、Coincheckでの仮想通貨トレーディングとトレーダーを経験し、その後NYブロックチェーン関連のVCに所属しCWC株式会社を設立。
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NFTファッションとは
NFTファッションとは、MetaverseやGameFiで使用されるアバターに着せる衣服やスニーカー、小物などのNFTアイテムを始め、デジタル3DアートとしてのコレクタブルNFTアイテムなどの事を指す。
また、LVMHに代表されるようなハイエンドファッションブランドやNIKEなどの世界的に人気が高く、2次流通においても高額で取引されることの多い製品を扱うブランドによる真贋判定用のツールとしてもNFTが利用され始めている。
つまり、現段階においてのNFTファッションとは、①アバターファッション②デジタルコレクション③真贋判定の3つのカテゴリに区分することが可能だ。
次に、NFTとファッションを融合させる意義について解説する。
NFTとファッションを融合させる意義
NFTとファッションを融合させる意義はどこにあるのであろうか?
先ほど、NFTファッションは①アバターファッション②デジタルコレクション③真贋判定の3つのカテゴリに区分することが可能と述べたが、順に解説したい。
①アバターファッション
アバターファッションは、ゲーム内での自己表現という要素を強い。
現実の延長としての自己表現の仕方もあれば、動物になったり現実的には奇抜すぎるような服装を身にまとうなど仮想空間でしか成し得ないような自己表現が可能となる。
他にも高額なアイテムを所有することで、現実で高級な時計などを所有する際の優越感を得ることも可能だ。
②デジタルコレクション
デジタルコレクションのNFTファッションとしては、スニーカーブランドなどが積極的にNFTに参画している。
デジタルコレクションに関しては現実のコレクションと心理的な背景は共通する部分があるが、現実のものが経年劣化する一方でデジタルコレクションは永遠に色褪せないという特徴がある。
③真贋判定
高額なハイブランドファッションが頭を悩ませている問題に贋作の流通がある。
偽物ブランドの市場は約100兆円とも言われ、最近ではECサイトを経由した流通が多い。
贋作の流通を防ぐためにファッションブランドでは製造段階からアイテムとNFTを結びつけることにより、販売店などがその真贋の判定を出来るような仕組みを開発している。
例えば、製品ごとに発行されたQRコードを用いたり、超小型マイクロチップなどを製品に組み込むことにより、ブロックチェーンで安全性を担保した真贋判定を行う取り組みがある。
では次に、NFTファッションはどのように使われるのか?という点について解説したい。
NFTファッションはどのように使われるのか?
NFTファッションの使用例に関しても、①アバターファッション②デジタルコレクション③真贋判定の3つの区分で解説しよう。
各用途における使用例は以下の通りだ。
①アバターファッション
- Metaverseでのアバターファッションとしての利用
- NFTマーケットプレイスでの売買
- SDKを利用して制作したNFTアバターファッションをマーケットプレイスで販売
②デジタルコレクション
- コレクションアイテムとしての所有
- 投資対象としての保有
- NFTマーケットプレイスでの売買
③真贋判定
- 自社製品の真贋判定
- 鑑定書として現物と一緒に所有
また、各区分に共通する利用方法としては、以下のようなものが挙げられる。
- 周囲へのアピール、自慢
- 友人などへのギフト
次に実際にどのようなNFTファッションの事例があるのかという点について紹介したい。
知っておくべきNFTファッションの事例
2021年上半期に起こったNFTブームと呼べる現象の中で世界的な著名ブランドによるNFT領域への進出が目立った。
その多くが自社の製品をNFT化して販売したり、仮想通貨業界の企業とのコラボレーションと言う形で、NFTアイテムを配布するなどといったものだった。
ブランディングの一環として行われたという側面もあるが、特に目立つのがラグジュアリーブランドとスポーツブランドによるNFT領域への進出だ。
ルイ・ヴィトン
LVMH傘下のルイ・ヴィトンは、創業者のルイヴィトン氏の生誕200年を記念した8月4日にアンドロイド、iOSの両方を対象としたモバイルゲームの形でNFTに進出した。
主人公を操作してステージを進めルイ・ヴィトンに関する様々なポストカードを集めていくアクションゲームで30個のNFTアート作品が用意されている。
また、30個のうち10個は、5000daysで有名なデジタルアーティストのBeepleによって製作されたものであるなどブランド価値を担保した取り組みを行った。
グッチ
グッチ(GUCCI)は、21年の5月下旬に、Beeple作品のオークションでも有名なイギリスのオークションハウスであるクリスティーズ主催のNFTアートオークションイベント「プルーフ・オブ・サブランティ」に出品した。
グッチが出展した作品は、 同ブランドの最新コレクション動画で使用したアニメーションをベースにしたアート作品で、 オークションの開始価格は20万ドルであった。
NIKE
NIKEは2019年頃からスニーカーの真贋判定の為にNFTの利用を考えており、既にバーチャルグッズの商標登録も申請している。
NIKEはNFT・Metaverse関連への取り組みとして、11月にオンラインゲームプラットフォーム「Roblox」内のMetaverse空間に、米国オレゴン州にあるナイキ本社を模した「NIKELAND」を開設した。
また、12月にはバーチャル・スニーカーやグッズを制作するRTFKT(アーティファクト)を買収、同社の技術でNFT3Dデジタルスニーカーの制作が行われる。
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NFTファッションの将来性
現在のハイエンドブランドの市場規模が巨大であることは想像に難くないが、アバター市場も相当なもので、中国の大手メーカーであるテンセントは、人気ゲーム1タイトルだけの売上でも月間で1,400億円を超えるなど、他のゲームタイトルを含めるとゲームのアバター収入だけで年間で数兆円規模の売上となっている。
もちろん、テンセントで販売されるアバターはNFTアイテムではないため、これが2次流通が可能なNFTとなればその価値はより高くなる可能性が高い。
現在、Ubisoftなどにより、既存人気ゲームタイトルのNFT化が進んでいるが、GameFiにおけるNFTファッションの将来性は今後の世代交代を考慮しても非常に高いと言える。
また、ハイエンドブランドの真贋判定が進むことは、よりそれらのブランド価値を高めることにつながる。
世の中には偽物だとわかっていて価格の面で購入する層も一定数存在するが、NFTを利用した真贋判定の機能開発が進めば偽物を本物に近い価格で購入したりなどの悲劇を防げることができるであろう。
このようにNFTファッションは潜在マーケットの規模も大きく、将来性が期待できるNFT分野と考えられる。
2022年もNFTファッションには、引き続き注目していきたい。