2021年10月8日、中国のマクドナルドは中国進出31周年を記念して188のNFTをリリースすることを発表した。NFTは「ビッグマックルービックキューブ」と呼ばれ、従業員や消費者へのプレゼントとして配布される。
今回のNFTは「Confluux」ブロックチェーン上に構築されており、デジタル資産作成企業のCocafeと提携を結んでいる。「ビッグマックルービックキューブ」はマクドナルドのブランド観と、新たに設立された本社ビルをモチーフにしている。
中国マクドナルドのCEOであるZang Jiayin氏は、「マクドナルドは常にトレンドと最先端のテクノロジーに注目している。新しい本社ビルは中国マクドナルドの開発におけるマイルストーンであり、この特別な瞬間を、NFTを通して従業員やお客様と共有したい」と語っている。
マクドナルドはNFT関連の取り組みに積極的である。フランスのマクドナルドでは、2021年4月に「McDoNFT」というビッグマックやチキンナゲットなどの商品をモチーフにしたNFTをリリースしている。
中国ではビットコインなどの仮想通貨の取り締まりが強化されているが、その一方でNFT市場は賑わいを見せているのが特徴だ。アリババやテンセントなどの中国大手企業も、2021年にNFTプラットフォームを立ち上げている。
さらに2021年9月には、2022年に杭州で開催されるアジア競技大会の記念NFTトークンも販売している。中国の公的機関がNFTをリリースするのはこれが初の試みであり、アリペイ上にて販売されたNFTは即完売したという。
中国で販売されるNFTは、支払いにイーサリアム(ETH)などの仮想通貨ではなく法定通貨の人民元が用いられることがポイントだ。日本や中国以外の国で販売されるNFTは通常、分散型のブロックチェーン上に構築される。しかし中国のNFTは中央集権型の台帳に記録されているため、購入したNFTは二次流通させることができないという側面もある。
仮想通貨取引に厳しい中国ならではの手法であるが、Global Timesによれば「NFT取引に仮想通貨を持ち出さない限りは規制当局もNFTに寛容な態度を示す可能性がある」という。
中国では仮想通貨取引の規制が厳しいことも相まって、NFTへの関心度が高い。中国は世界各国の中でもデジタル人民元の開発が進んでいることもあり、投資家やNFT業界も動向に注目している。
NFTは比較的新しい領域のものであるため、現段階では中国で規制などはされていない。そのため、今後中国でNFTがますます人気になる可能性は高い。NFT投資家の方は、引き続き今後の中国市場の動向をチェックすべきであろう。