DEXの登場から約4年が経過し、その間、世界中でDEXの利用者は増え続けてきている。
しかし、DEXについて「難しそう」、「なんとなくとっつきにくい」と感じている方が多いことも事実だろう。
そこで、当記事ではDEXに興味はあるがまだよく知らないという方向けに、DEXについて解説して、おすすめのDEXを7つ厳選して紹介していく。
当記事を読めば、初心者でもDEXにはどのようなメリット、デメリットがあるのかが理解できるので、ぜひ最後までチェックしてほしい。
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NFTや仮想通貨の取引、およびブロックチェーンゲームのプレイには仮想通貨が必要となる。仮想通貨は仮想通貨取引所から入手できるので、まだ口座を開設していない方は、事前に開設しておこう。
国内であればbitbank(ビットバンク)がおすすめだ。bitbankは国内取引量ナンバーワンでシンプルで使いやすいUIが特徴だ。
他の取引所について知りたい方はこちらの記事をチェックするとよい。
DEXとは
DEXはDecentralized Exchangeの略で、日本語では「分散型取引所」と訳される。
DEXでは、仮想通貨の取引がブロックチェーン技術によって完全に自動化されている。これによって、従来の取引と異なり、買い手と売り手の間を仲介する金融業者が不要となった。
この、ブロックチェーンシステム上で仮想通貨の売買契約を自動化する仕組みのことは「スマートコントラクト」と呼ばれる。
多くのDEXでは、次のような機能が提供されている。
- 〇スワップ
-
仮想通貨同士を交換すること。
- 〇流動性プール
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買い手と売り手が直接取引するのではなく、売り手が流動性プール内に通貨を投下して、買い手は流動性プールを相手に取引を行う。
これにより、トークンを買いたい瞬間に売り手がいなくても取引が可能になる。
- 〇イールドファーミング
-
DEXに仮想通貨を預け入れ、その対価として利子を受け取ること。
DEXとCEXの違い
CEXはCentralized Exchangeの略で、「中央集権型取引所」と訳される。
スマートコントラクトを用いてユーザー同士が仲介者なしに取引を行うDEXと異なり、CEXはユーザー間の取引を企業が仲介するのが特徴だ。
日本国内には、Coincheck(コインチェック)、bitFlyer(ビットフライヤー)、DMM Bitcoin(DMMビットコイン)などのCEXがある。
DEXのメリット
DEXを利用すると、CEXにはないメリットを得られる。
具体的には、次のようなものがある。
- 取引手数料が安い
- 安全性が高い
- 本人確認が不要
取引手数料が安い
ユーザー目線では、これがDEX利用の最大のメリットといえるだろう。
CEXの場合、取引所にもよるが、取引をするたびに仲介業者に対して手数料がかかってしまう。
DEXでは仲介業者が存在しないため、そこには手数料が発生しない。代わりに「ガス代」と呼ばれるブロックチェーン利用料を支払う。
CEXとDEXで取引手数料を比較すると、ほとんどの場合DEXの方が手数料が安く済む。
安全性が高い
CEXの場合、取引所が個人情報や取引履歴、暗号資産を管理している。
もし取引所がハッキングなどの被害にあった場合、最悪あらゆる情報が盗まれたり改ざんされたりする可能性がある。
一方DEXの場合、暗号資産の取引データはブロックに記録される。
このブロックは複数のコンピュータに分散して情報を共有しているため、万が一1つのコンピュータがハッキングされたとしても、影響は限定的になる。
このように、分散型のシステムを利用してリスクを分散することで強固なセキュリティを実現している。
本人確認が不要
DEXでは個人情報を登録する必要がないため、本人確認などの面倒な手続きがない。利用するためにはウォレットを用意するだけでよい。
これにより、サービス利用のハードルが下がり、さらに個人情報漏洩の可能性もなくなる。
DEXのデメリット
DEXには以下のようなデメリットがある。
- 自己責任で資産を管理する
- 知識が必要
自己責任で資産を管理する
CEXであれば、資産管理の責任はCEXにある。
一方、DEXの場合は、資産管理が甘くて何らかの被害にあったとしても、誰も補償してくれない。
日本では法整備もまだ十分とは言えないため、訴訟を起こすことも難しいとされている。
知識が必要
DEXの場合、CEXよりも求められる知識が多くなりがちだ。
CEXであれば、わからないことがあればサポートに問い合わせればよいが、DEXはCEXほどサポート体制が整えられていないことが多い。
自分でブロックチェーンやDEXに関する情報を調べ、知識を身につけておくことが必要となる。
DEXの使い方、始め方
ここでは、DEXの具体的な始め方について紹介する。以下の3ステップに沿って準備していく。
- 国内取引所で仮想通貨を入手する
- 仮想通貨のウォレットを用意する
- ウォレットをDEXに連携する
1.国内取引所で仮想通貨を入手する
当然ながら、DEXで日本円を直接取引することはできない。そこで、まずは国内取引所の口座を開設し、取引するための仮想通貨を入手する必要がある。
どのような仮想通貨が必要になるかは、DEXによって変わるため、事前に確認しておこう。おすすめの国内取引所は以下の通りだ。
Coincheck(コインチェック)
Coincheck(コインチェック)は、アプリダウンロード数国内No.1を誇る、大手国内取引所だ。
取り扱い通貨数が国内トップクラスで、18種類以上の仮想通貨が取引されている。DEXで取引するために必要な通貨のほとんどはここで入手できるだろう。
bitFlyer(ビットフライヤー)
bitFlyer(ビットフライヤー)はビットコインの売買に強い取引所だ。
ビットコイン売買手数料が無料で、ビットコイン取引量が国内No.1となっている。主にビットコインを利用してDEXで取引したい方は、こちらを利用するとよい。
DMM Bitcoin(DMMビットコイン)
DMM Bitcoin(DMMビットコイン)は、各種手数料が安い点が魅力だ。
取引手数料(BitMatch注文以外)や、日本円出金手数料が無料となっている。手数料を安く抑えることにこだわる人は、こちらの利用が適している。
2.仮想通貨のウォレットを用意する
DEX利用時は、ウォレットを連携して、ウォレット内の仮想通貨で取引を行う。
DEXによって、使えるウォレットが決まっているため、事前に必要なウォレットを調べておき、登録を済ませておこう。
最もメジャーなウォレットはMetaMaskで、多くのDEXで利用可能だ。ウォレットを用意したら、国内取引所で購入した仮想通貨をウォレットに移動しておく。
3.ウォレットをDEXに連携する
多くのDEXでは、トップページにウォレット連携用のボタンが用意されている。それをクリックして、自身のウォレットを連携するだけで、DEXの利用準備は完了だ。
CEXの開始手順に比べて、簡単にスタートできるのがお判りいただけただろうか。
おすすめのDEX7選
DEXについては理解したが、具体的にどのようなDEXを使えばよいかわからないという方も多いだろう。
ここでは、数々のDEXの中からおすすめのものを7つに厳選して紹介する。
- Uniswap(ユニスワップ)
- Pancakeswap(パンケーキスワップ)
- SushiSwap(スシスワップ)
- Curve Finance(カーブファイナンス)
- 1inch Exchange(ワンインチエクスチェンジ)
- Biswap(バイスワップ)
- dYdX(ディーワイディーエックス)
1.Uniswap(ユニスワップ)
Uniswap(ユニスワップ)は、取引量No.1を誇るDEXだ(2022年12月現在)。
イーサリアムブロックチェーンや、レイヤー2ソリューションのOptimistimやArbitrumなどで稼働している。
機能性の高さや、プラットフォームの使いやすさ等から支持を得ている。
直近のV3へのアップデートでは、「Concentrated Liquidity(流動性提供の範囲指定)」によって自分のトークンが取引される価格の範囲を指定できるようになる、プールしているトークンの手数料収益を0.05%/0.3%/1%の中から選べるようになる、といった新機能が提供された。
ブロックチェーン | イーサリアム、Optimistim、Arbitrumなど |
ウォレット | MetaMask、WalletConnect、Coinbase walletなど |
独自トークン | UNI |
日本語対応 | あり |
公式サイト | https://uniswap.org/ |
2.Pancakeswap(パンケーキスワップ)
Pancakeswap(パンケーキスワップ)は、海外取引所のBinance(バイナンス)社が開発したBSC(バイナンススマートチェーン)というブロックチェーン上に構築されている。
ガス代(ブロックチェーンの使用にかかる手数料)が高騰してきているイーサリアムチェーンと異なり、比較的ガス代が低い点が特徴だ。
ブロックチェーン | BSC(バイナンススマートチェーン) |
ウォレット | MetaMask、Coinbase Wallet、SafePalなど |
独自トークン | CAKE |
日本語対応 | あり |
公式サイト | https://pancakeswap.finance/ |
3.SushiSwap(スシスワップ)
SushiSwap(スシスワップ)は、Uniswap(ユニスワップ)から派生したDEXだ。
Uniswapとの違いは、イーサリアムだけでなく数々のレイヤー2ブロックチェーン上にローンチされている点が挙げられる。
これにより、イーサリアムブロックチェーン上のガス代高騰を回避できる。
なお、いかにも日本語と縁が深そうな名前だが、開発者は外国の方で、日本語化対応もされていない。
ブロックチェーン | イーサリアム、Polygon、Arbitrum、Avalanche、Optimism、Moonriver、Fantomなど |
ウォレット | MetaMask、WalletConnect、Coinbase walletなど |
独自トークン | SUSHI |
日本語対応 | なし |
公式サイト | https://www.sushi.com/ |
4.Curve Finance(カーブファイナンス)
Curve Finance(カーブファイナンス)は、ステーブルコインの取引に特化したDEXだ。
ステーブルコインとは、価格が安定するように設計された暗号資産で、米ドルを担保とするUSDTなどがある。
ボラティリティが小さく、低リスクな取引をしたい方に適したDEXといえる。
ブロックチェーン | イーサリアム |
ウォレット | Coinbase wallet、WalletConnectなど |
独自トークン | CRV |
日本語対応 | なし |
公式サイト | https://curve.fi/ |
5.1inch Exchange(ワンインチエクスチェンジ)
1inch Exchange(ワンインチエクスチェンジ)はDEXアグリゲーターの1種だ。複数のDEXの中から最良のレートを検索してくれる機能を持つ。
1つのDEXに決めきれない方は、このようなDEXアグリゲーターを利用するのも1つの手だろう。
ブロックチェーン | BNB Chain、Polygon、Optimism、Arbitrum、Gnosis Chainなど |
ウォレット | 1INCH WalletConnect、WalletConnect、Coinbase walletなど |
独自トークン | 1INCH |
日本語対応 | あり |
公式サイト | https://1inch.exchange/ |
6.Biswap(バイスワップ)
Biswap(バイスワップ)はBSC(バイナンススマートチェーン)上のDEXだ。
BSC上のDEXでは、PancakeSwapに次いで取引量が多い。
PancakeSwapと比べて規模や機能性は劣るものの、ファームしたときの利率がPancakeSwapより高い傾向にある。
ブロックチェーン | BSC(バイナンススマートチェーン) |
ウォレット | MetaMask、WalletConnect、Coinbase walletなど |
独自トークン | BSW |
日本語対応 | なし |
公式サイト | https://biswap.org/ |
7.dYdX(ディーワイディーエックス)
dYdX(ディーワイディーエックス)は、イーサリアムおよびイーサリアムのレイヤー2ソリューション上に構築されている。
2021年にStarkWare上にローンチしたあたりから、規模が大きくなってきているDEXだ。
ガス代が請求されないのが最大の特徴で、とにかく低コストで取引したいというユーザーに人気となっている。
ブロックチェーン | イーサリアム、StarkWare、Optimisum、Arbitrumなど |
ウォレット | MetaMask、WalletConnect、Coinbase walletなど |
独自トークン | DYDX |
日本語対応 | あり |
公式サイト | https://dydx.exchange/ |
DEXに関する注意点
DEXには、初心者が陥りがちな落とし穴がいくつかある。実際に利用する前に、気を付けるべきことについて理解しておこう。
- 日本語対応していないDEXがある
- 国内の法整備がまだ整っていない
日本語対応していないDEXがある
DEXは国内にはなく、全て海外のプロダクトとなる。その全てが日本語対応しているわけではないため、利用するDEXによっては英語の読解能力が求められる。
英語に自信がない方は、まずは日本語対応しているDEXを探すことをおすすめする。
国内の法整備がまだ整っていない
DEXは、まだ日本の法律で認可されていない。
そのため、万が一詐欺などの被害にあったとしても、利用者救済の仕組みができていないため、泣き寝入りになってしまう可能性が高い。
ここに関しては、今後整備が進んでいくと思われるため、注意深く動向を観察しておく必要がある。
DEXについてのQ&A
ここでは、記事内で解説しきれなかった内容などを補足していく。
- レイヤー2ソリューションとは?
-
ビットコインやイーサリアムといったメジャーな仮想通貨では、取引量が増えるにつれてブロックチェーン上での処理遅延やガス代の高騰といった問題が話題になった。
これらを解決するために生まれた技術がレイヤー2ソリューションである。
レイヤー2ソリューションでは、イーサリアムなどのメインチェーンの外部で処理を行うことで、メインチェーンへの負荷を減らすことができる。
- DEXのおすすめの使い方は?
-
(特に日本の)CEXでは、あまりマイナーな通貨は取引できない。対して、DEXを利用すると、リリースされたばかりのマイナーな仮想通貨でも取引できる。そのため、NFTゲームやアルトコイン投資に取り組む際に活用すると便利だ。
また、高利回りで仮想通貨を預けたい場合も、DEXの利用が有効となる。
- DEXをスマホで利用できるか?
-
現時点では、DEXをスマホアプリで利用することはできない。
ただしブラウザを利用すれば、スマホからでもDEXのサイトにアクセスして利用することはできる。
DEXには大きなメリットがあるが、デメリットもある
ここまででご紹介した通り、手数料の安さやセキュリティなど、DEXにはCEXが持っていない様々な長所がある。
その一方で、知識が必要、場合によっては英語力が必要など、利用のハードルが高いのも事実である。
万人におすすめはできないが、使いこなせる人にとってはこれ以上なく快適なプラットフォームになることだろう。
スタートするだけならウォレットを連携するだけであるため、この記事を読んでDEXに興味を持った方は、まずは少額から試してみてはいかがだろうか。