アメリカの有名音楽メディアであるSPIN(以下、スピン)と、法人資産を流動的に動かす金融プラットフォームのNAX(以下、ナックス)がタッグを組み、環境に配慮したNFTマーケットプレイスを開発することを発表した。このプラットフォームでは、世界的に有名なアーティストの作品をNFT化してリリースする予定だ。
大手音楽メディアがNFT技術を利用して、全コンテンツのアーカイブを入手可能にする試みは今回が初めてである。スピンはナックスのソフトウェアとメソッドを活用して、36年にも及ぶ歴史的なIPライブラリーから作品を提供する。
コレクション性の高い貴重な写真や映像、サイン入りの限定版カバー、関連メディアなどが販売される予定である。音楽ファンにはたまらない独占映像や舞台裏映像もNFT化が検討されている。
ナックスはフランスのパリに本社を構える企業である。世界的企業の資産担保証券やベンチャーキャピタル、証券を発券するプラットフォームと、独自の経験やノウハウに基づいたサービス・事業の提供を行っている。
スピンは「Rolling Stone(ローリング・ストーン)誌」と並ぶほどの人気を集める「SPIN MAGAZINE(スピン・マガジン)」で知られる音楽メディアだ。
スピンの最高責任者であるJimmy Hutcheson(ジミー・ハッチソン)は以下のように述べる。
ナックスが持つデジタル専門知識と、マーケットプレイス技術のサポートを得ることで、アーティストやブランドが積み重ねてきた音楽、メディア、アートのコレクションを提供することが可能になった。音楽ファンにとって極めて特別なものを共有できることが嬉しい。
今回のNFT化プロジェクトに対して、マイニングによる環境負荷が課題に挙げられていた。ナックスの持つ最新技術は、この課題を克服。これにより、持続可能なプラットフォームを実現したのである。
マイニングによる環境への影響とは___
マイニングは直訳すると「採掘」。仮想通貨の世界では、一般的にブロックチェーンを介して行われた取引データを承認する作業を指す。ビットコインのような仮想通貨は、第三者が行うマイニングにより、取引情報が事実上改ざんできないステムになっている。
しかし、大量のコンピューターが稼働する仕組みであるNFTやビットコインに対して、消費電力が莫大になるという声が上がっている。
アート、音楽、ゲームなど様々な業界でNFTが話題になっているなか、今回のスピンとナックスによるプロジェクトは「環境配慮」を意識した画期的な試みといえるだろう。
参考URL:
https://www.sankei.com/wired/news/210410/wir2104100001-n1.html