スポーツファッションブランドの「アディダス・オリジナルス」が、ブランド初となるNFTコレクション「Into the Metaverse」を2021年12月18日に発表した。同コレクションは、人気NFTブランドの「Bored Ape Yacht Club」「gmoney」「PUNKS Comic」の3社と共同開発したものであるという。
「Into the Metaverse」のNFT購入者は、NFTと同じデザインの製品を現物で所有できるほか、大人気ブロックチェーンゲーム「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」などで利用可能なバーチャルウェアを獲得できる。
なお、販売開始価格はそれぞれ0.2ETH(約8万円)だ。
プロジェクトメンバーのErika Sneyd-Wykes(エリカ・スニード=ワイクス)氏は、「NFTへの参入はマネタイズが目的ではなく、最も勢いのあるコミュニティを知るためだ」と語る。加えて、「アディダス・オリジナルスは常に最先端のコラボ企画を行ってきた。世界中のクリエイターがNFTを用いて新しい方法で自身の存在感を強めている。我々もNFTを使うことで、スポーツのあり方が変わるかもしれない」とも述べている。
今回のプロジェクトは、アディダス社内でNFT取引をしている社員らがきっかけとなり、生まれたという。会社の上層部は彼らが取り組むNFTに興味を示し、部署を横断したNFT参入プロジェクトが始動された。同プロジェクトには、普段関わることのない経理や人事のスタッフも関わっている。
今回コラボしている「Bored Ape Yacht Club」とは、現在世界規模で支持されているNFTブランドだ。同ブランドはアメリカを拠点に置く企業のYuga Labs「ユガ・ラボ」が手掛けるコレクションであり、Bored Ape(退屈な猿)をモチーフにした絶妙な表情や服装が人気を集めている。2021年9月には、サザビーズで行われたオークションで同ブランドのNFTが2440万ドル(約26億8000万円)で落札されたことでも話題になった。
現在NFTはゲームやアニメ分野以外にも、スポーツやファッションなど幅広いジャンルで活用されている。実際に、ナイキやDeNAベイスターズがNFT事業に参入するというニュースがある。
ただ、今回のコレクションでは、NFT作品と同じアイテムを現物でも手に入れられる点が画期的だ。購入者側からすると、バーチャルのモノだけを所有する場合よりも一層特別感が得られる。そのため、アディダスのNFTコレクションが盛り上がれば、今後もこのような形でNFTが配布されることが増えるかもしれない。
アディダス自身も今回のNFT販売は実験的に行った側面もある。反響が大きければ第二弾の販売もあるかもしれない。引き続き、NFT業界の動向を見守っていこう。
当サイトではNFTの最新情報はもちろんのこと、有力な銘柄やブロックチェーンゲームについても多数取り上げている。公式Twitterでは最新記事の掲載情報をツイートしているので、ぜひフォローしてみてほしい。
【関連記事】
ファッション業界の新常識|NFTスニーカーを手掛ける企業・ブランド5選