仮想通貨イーサリアムが、次世代ブロックチェーンにアップグレードされることになり、ステーキング対象の通貨となった。そのため、イーサリアムステーキングサービスを利用する投資家が増えている。
投資家から集まった金額は、約1,275億ドル相当(2022年7月27日時点)と言われているから驚きだ。今回は、投資家から注目を浴びるイーサリアムステーキングについて解説する。資産運用や投資を検討している方は、ぜひ参考にしてみて欲しい。
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なお、他の取引所と比較したい方は以下の記事を参考にするとよい。
イーサリアムのテーキングとは
イーサリアムステーキングとは、一定期間イーサリアム(ETH)を預けることで副収入が得られる仕組みをいう。なぜ、一定期間イーサリアムを預けると配当がもらえるのだろうか。まずは、イーサリアムステーキングとは何かを解説していく。
イーサリアム2.0とは
イーサリアム2.0とは、イーサリアム(ETH)の次世代ブロックチェーンのことをいう。
イーサリアムブロックチェーンは、レンディングやゲームのDApp(分散型アプリケーション)の基盤として利用されてきた。
しかし、NFTやDeFiの登場により、イーサリアムブロックチェーンによる取引量が増えていき、取引遅延や手数料の高騰の問題が発生した。
この問題を解決するために、「イーサリアム1.0」から「イーサリアム2.0」へアップグレードされることが発表された。正式なアップデート完了日は決まっていないが、2023年になるのではと予測されている。
イーサリアムについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみて欲しい。
関連記事:『Ethereum(イーサリアム)の今後の見通しは?価格やアップグレード情報を紹介』
イーサリアムのステーキングの仕組み
イーサリアム2.0へアップグレードするため、イーサリアムブロックチェーンのコンセンサスアルゴリズム(チェーンのブロックを生成するためのルール)はPoWからPoSに切り替えられていく。
コンセンサスアルゴリズムがPoSに切り替わると、仮想通貨の保有量が多い人、保有期間が長い人にブロックを生成する権利が与えられ、ネットワーク上から決まった量の報酬が得られるようになる。
つまり、PoSの仮想通貨を長期保有するほど、配当が得られることとなる。このような仕組みを「ステーキング」と呼び、イーサリアムも対象通貨となった。
補足:PoWとPoSの違いとは
PoW(プルーフ・オブ・ワーク)とは、大量の計算問題を早く解いたものが、ブロックを生成する権利を与えられ、ネットワーク上から決まった量の報酬が得られるというルールをいう。PoWは計算問題を早く解く必要があるため、多くの企業が高性能なマシンを導入して、大量の電力を消費しながら大規模なマイニングを行っている。
その一方で、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)とは、仮想通貨の保有量が多い人、保有期間が長い人にブロックを生成する権利を与えられ、ネットワーク上から決まった量の報酬が得られるというルールをいう。
計算問題を解く必要がなく、PoWと比較すると電力がかからない。実際にPoWからPoSに切り替えることで、電力消費は99.95%削減できると試算されている。
関連記事:『【NFTの未来予測】多量の電力消費による環境問題~その解決策を考察する~』
イーサリアムステーキングが与える影響
イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムがPoWからPoSへ移行されると、イーサリアムもステーキングの対象になり、長期保有しておけば副収入が得られると説明した。
そのため、イーサリアムを長期保有する人が出てきて、イーサリアムの流動性が低下することが考えられる。
また、ステーキング希望者がイーサリアムを購入するため価値が高騰したり、デリバティブ商品が生まれたりするなどの影響が予想される。
イーサリアムステーキングのメリット
イーサリアム2.0ステーキングには、次のようなメリットがある。
イーサリアムの保有で配当が得られる
イーサリアム2.0ステーキングでは、ETHを預け入れておくだけで利回りが得られる。そのため、長期間は売る予定のないETHをお持ちの方は、ステーキングで不労所得が得られる。
これまで、イーサリアムはコンセンサスアルゴリズムにPoWが採用されていたため、価格高騰による売却益を得る投資方法しかなかった。
しかし、コンセンサスアルゴリズムがPoSに切り替わることで、一定期間ETHを預け入れておくだけで配当が得られるようになる。そのため、新たな投資方法として注目を浴びている。
他の投資と比較して利回りが高い
イーサリアムステーキングは、2022年7月27日時点では、年間利回りが最大5.20%となっている。この利回りは、他の投資方法と比較しても高い。
例えば、不動産投資の年間利回りは4.5%、銀行の定期預金の年間利回りは0.002%となっている。銀行の預金にお金を預けても配当が得られにくい中で、イーサリアムを保有しておけば、年間利回り5.20%で資産運用していける。
このように、他の投資と比較して利回りが高いことも大きなメリットだ。
イーサリアムは将来性が高い
イーサリアム(ETH)は、仮想通貨の中でも将来性が高いことで知られている。その理由として、イーサリアムブロックチェーンはDApp(分散型アプリケーション)の基盤として利用されることが挙げられる。
イーサリアムはDAppの基盤として、レンディングやゲーム、NFTなどのアプリケーションに利用され始めてきている。このような状況を踏まえ、定期的なアップグレードがされており、「イーサリアム1.0」から「イーサリアム2.0」に移行することも予定されている。
DAppの基盤としての性能や機能が強化されれば、利用価値は飛躍的に高まることが期待できる。そのため、他の暗号資産と比較してイーサリアムは将来性が高く、手堅い投資先と言える。
イーサリアムステーキングのデメリット
イーサリアム2.0ステーキングには、以下のようなデメリットがあるため気をつけて欲しい。
ステーキング期間中はイーサリアムを売却できない
ステーキング期間中はイーサリアム(ETH)を売却できないため注意しよう。
イーサリアムの価値が急落しても、預けた暗号資産にはロックが掛けられているため売却できない。イーサリアム2.0ステーキングで、利回りを得ようとしたにも関わらず、仮想通貨の価格が下落して元本割れしてしまう恐れもあるのだ。
結果的に大きな損失を被るケースがあることを理解した上でステーキングを始めることが大切となる。
ステーキング参加者が増えると利回りが悪化する
イーサリアムステーキングへ投資する人が増えて競争率が激しくなると、利回りが悪化する恐れがある。理由としては、ステーキング参加者が増えても、ブロック生成数が増えるわけではないことが関係する。
イーサリアムのブロック生成数は限られており、ステーキング参加者はそのブロック生成の報酬を分け合う形になる。そのため、ステーキングへ投資する人が増えると利回りが下がってしまう。したがって、利回りの面を考慮すると、早期に参加するのがよいと言える。
イーサリアムの稼働予定が遅れている
イーサリアム2.0へアップグレードが大幅に遅延していることが大きな話題を集めている。
ホワイトペーパーによると、2021年12月1日にイーサリアム2.0へのアップグレードが完了する予定だった。しかし、2022年7月27日時点、アップグレードが終わっておらず、2023年完成とされている。
アップグレード日が遅れるとイーサリアムの価格が落ちることがある。また、アップグレードに失敗したら、コンセンサスアルゴリズムがPoWに移行されないため、配当が得られなくなってしまうだろう。このようなリスクがあることを想定しておかなければいけない。
イーサリアムステーキングのやり方
イーサリアムステーキングのやり方は3通りある。
- ノードを運用する
- ステーキングプールを利用する
- 仮想通貨取引所のステーキングサービスを利用する
ここでは、それぞれのやり方について解説していく。
ノードを運用する
ノードとは、ブロックチェーン取引のネットワークにおける点をいう。つまり、各自のコンピュータやルーター、ハブ、モデムなどが該当することになる。専用ソフトでノードを運用すれば、ステーキングの報酬が得られる。
しかし、ノードを運用するためにはコンピュータの設定や管理が必要になるため準備が大変だ。また、32ETH(約700万円)を保有していることが条件になっているため、誰もができるやり方ではない。
ステーキングプールを利用する
ステーキングプールとは、委任者にイーサリアムを預けてステーキングを代行してもらうことをいう。多くの人からイーサリアムを集めて、委任者がノード運用をしていく。そのため、少額でもステーキングができる。
しかし、ステーキングプール代行業者は数多く存在しており、どこに委託をすればよいか分からなくなりがちなことが懸念となる。
仮想通貨取引所のステーキングサービスを利用する
仮想通貨取引所でもステーキングサービスを提供している。仮想通貨取引所がイーサリアムを集めてノードを運用しているのだ。仮想通貨取引所のステーキングサービスを利用すれば、イーサリアムの保有量が少なくても配当が得られる。
また、金融庁に登録されている信頼できる仮想通貨取引所が運用してくれるため、安心できるというメリットがある。イーサリアムステーキングのやり方の中でも、最も気軽に始めやすい方法だ。
イーサリアムステーキングにおすすめの仮想通貨取引所
イーサリアムステーキングのやり方の中でも、仮想通貨取引所のステーキングサービスを利用する方法がおすすめと説明した。しかし、どこの取引所が良いのか悩むだろう。
そこで、イーサリアムステーキングにおすすめの仮想通貨取引所を説明していくことにする。
仮想通貨取引高No.1を誇る「Binance」
海外仮想通貨取引所「Binance」は、仮想通貨取引高No.1を誇っており、世界最大規模の仮想通貨取引所として知られている。
海外取引所の中でも信頼度が高い仮想通貨取引所だ。最小ステーク量は0.0001ETHと決められているが、手数料は無料なことも魅力となっている。
世界成功レベルのセキュリティを実現する「Coinbese」
Coinbaseは、創業以来1度もハッキングされたことがない世界最高レベルのセキュリティーを実現している仮想通貨取引所だ。Coinbeseが行っている具体的なセキュリティーは以下の通り。
- 二段階認証で口座情報を保護
- 資金はオフラインで管理
- システムを24時間体制で監視
- 米連邦預金保険公社(FDIC)の保険で保護
仮想通貨の取引高も世界3位と評判も高い。そのため、信頼できる海外取引所を使いたい方におすすめだ。
最小ステーク量に制限がない「Kraken」
Krakenは、最小ステーク量の制限がなく手数料も無料と、完全無料でステーキングサービスが利用できる仮想通貨取引所だ。
仮想通貨の取引量は、BinanceやCoinbeseには劣るが、ステーキングサービスの手数料などを気にせずに利用したい方におすす
めだ。
仮想通貨取引所ステーキングサービスの利用方法
仮想通貨取引所のステーキングサービスを利用する方法は以下の通りだ。3STEPで完了する。
- ETH2.0ステーキングサービスのページに飛ぶ
- ETHの預入量を決める
- 利用規約に同意して承認を押す
ステーキングサービスを利用するためには、仮想通貨取引所の口座開設や仮想通貨をウォレットに入れるなどの事前準備がある。これらの方法を詳しく知りたい場合は、下記の記事を参考にして欲しい。
関連記事 『BINANCE(バイナンス)のステーキングのやり方!おすすめ銘柄まで紹介)』
イーサリアムステーキングで資産運用を始めよう
今回はイーサリアムステーキングについて説明した。
イーサリアムのブロックチェーンはDAppの基盤として幅広く利用されるようになり、性能・機能を向上させるために「イーサリアム1.0」から「イーサリアム2.0」へアップグレードされることが発表された。
それに伴い、コンセンサスアルゴリズムがPoWからPoSになり、イーサリアムもステーキングの対象通貨となっている。
イーサリアムは現在、時価総額2位の仮想通貨であり、他の仮想通貨と比べ、手堅い投資先と言える。ステーキングに興味がある方は、イーサリアムのステーキングから始めてみてはいかがだろうか。
おすすめ記事:『【ステーキングおすすめ銘柄10選】特徴・利回りを考慮して仮想通貨投資に役立てよう』