2021年3月、「Mars House(マーズハウス)」と呼ばれるデジタルの住宅が50万ドル(約5500万円)を超える価格で落札された。マーズハウスは、NFTマーケットプレイスであるSuperRare(スーパーレア)でNFTとして販売されていた。
このデジタルの住宅の落札者は、トロント在住の人物とのこと。購入者はイーサリアムの支払いと引き換えに、マーズハウスの3Dファイルと音楽が流れるビデオクリップを受け取った。
メタバース(仮想空間)上にこの3Dファイルをアップロードすると、アバターが住む家として利用できる。
Join us for a one-of-a-kind event, only in Spatial, starting right now. @Krista_Kim ‘s #MarsHouse – a stunning 3D NFT that recently sold for $500,000.
— Spatial (@spatialxr) May 19, 2021
Enter the Mars House now: https://t.co/ctDn7Y3vQY pic.twitter.com/4GQbVSH4n8
マーズハウスはアーティストのKrista Kim(クリスタ・キム)氏が制作。音楽は米ロックバンドThe Smashing Pumpkins(スマッシングパンプキンズ)のJeff Schroeder(ジェフ・シュローダー)が担当した。
マーズハウスは火星に建てられたデジタル住居だ。この空間にある住宅のほとんどはガラスのような材質で作られている。ベッドやテーブル、ソファなどあらゆるものがガラス張りになっており、照明の変化によって雰囲気が変わる。非日常的でありながらも、独創的で癒される空間だ。
この住宅は現在ブロックチェーン上にしか存在していないが、イタリアのガラス家具メーカーに依頼すれば現実の世界でも再現が可能とのこと。
この住宅を制作したキム氏は、新型コロナウイルスの感染拡大によるステイホーム中にインスピレーションを得て、今回の制作に至ったという。
彼女はステイホーム中に瞑想的なデザインを模索しているうちにNFTにたどり着いた。「デジタルライフが加速するこの状況で、自身の作品を人々のメンタルヘルスのために役立てたいと感じている」とプレスリリースで述べている。
新型コロナウイルスの影響で、世界中の人々が巣ごもり生活を強いられた。その結果、「家の中で快適に過ごす」ということへの関心が高まった。室内での暮らしにもたらす癒しとして、デジタル住宅は新たな選択肢となりうる。
Republic(リパブリック)の不動産部門の責任者であるJanine Yorio(ジャニーン・ヨリオ)氏は、「仮想世界での不動産物件は、現実の不動産よりも速いスピードで価値が高まると予測している」と述べている。今回のニュースはデジタル住居誕生の序章にすぎない。NFTを用いた不動産取引は、今後も加速していき、未来の住宅購入の形の一つとなるであろう。
【おすすめ記事】
【証券アナリスト監修】2021年度 – 仮想不動産の市場分析 ~デジタル世界が作る新たなエコシステムとは~
参考URL:
https://www.businessinsider.jp/post-232551