2022年6月10日、株式会社ナンバーワンソリューションズがNFTの課題を解決するブロックチェーン「SYNCHAIN(シンチェーン)」のアルファ版を開発したことが明らかになった。
近年は、ブロックチェーンを活用したデジタル決済やNFTマーケットプレイスなどのサービスが数多く展開されている。
改ざんやコピーを防ぐシステムとして期待が寄せられている一方、セキュリティ関連の問題は依然として改善されていない。その他にも、スケーラビリティや中間者攻撃など、ブロックチェーンには改善すべき問題が多数存在する。
株式会社ナンバーワンソリューションズは、以下の問題を公式ページで挙げている。
- デジタルデータの保有はできない
- NFTの唯一無二の担保がない
- オンチェーンNFTの限界
- ハッキングのリスク
このような問題を解決するソリューションとして、SYNCHAINが開発された。
以前までNFTのデジタルデータは、NFTの購入歴を証明するものとしてサーバー側にのみ保管されていた。SYNCHAINは、数値データとデジタルコンテンツがセットでNFTであると捉え直すことで、ユーザーがブラウザでコンテンツを保存できるようにした。
また、コンテンツの作成元を明らかにするために、SYNCHAINはクリエイターの情報(製作者や作成日など)を含んだデジタルデータを発行する。加えて、真贋証明を実施した現物にNFTを紐づけることで、信頼性のあるコンテンツを取引することができる。
ブロックチェーンのノードサーバーに関しては、通常ハイスペックなサーバーが要求される。しかし、SYNCHAINは分散型ストレージを活用することで、低コストでブロックチェーンのアプリケーション開発を実行できるようにした。
さらに、SYNCHAINは量子コンピュータによるハッキング問題にも対応している。情報理論的安全性(時間をかけても突破できない暗号技術)をベースに構築されているので、量子耐性のあるブロックチェーンとなっている。
また、従来のブロックチェーンは公開鍵の受け渡しが行われるので、中間者攻撃のリスクがあった。そこでSYNCHAINは鍵配送をしない暗号通信を採用することで、中間者攻撃のリスクを軽減した。
株式会社ナンバーワンソリューションズは、ユーザーが安全・低コストで利用できる、持続性、汎用性の高いサービスを展開していくという。また、オリジナルのNFTマーケットプレイス開発や、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の提供を行っていく。
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