2021年6月30日、米Twitter社がNFTを7種類発行し抽選で140人に無料配布すると発表した。Twitter社がNFTを発行するのは今回が初めてで、米国と日本限定のキャンペーンとなる。
応募方法は、Twitter社の公式アカウントのツイートにリプライするだけ。なお、抽選への応募は7月1日をもって締め切られている。
発行されたNFTは「Reply Guy」「Twitterバード」「Rare Form」など全7種の計140点だ。受け取ったNFTは、非営利目的であればWebサイトなどに掲載可能で、第三者への譲渡や販売も認められている。
日本では、TwitterCEOであるジャック・ドーシー氏の初ツイートが表示された、卵型のおもちゃを描いたNFT20点を配布するという。このNFTは「First Born」と名付けられ、回転する青い卵型のおもちゃには「just setting up my twttr」の文字が表示されている。おもちゃの中央には「リプライ」「リツイート」「いいね」「共有」マークのボタンが付いており、Twitterの仕様そのものである。
人気のおもちゃ「たまごっち」を彷彿とさせる可愛らしいデザインが特徴的で、Twitterの仕様を取り入れるなど非常に凝ったものとなっている。
今回のNFT発行は、Twitter上でのNFTに関する話題の増加を受けて決行したとのこと。7月1日時点で、TwitterのNFT発行ツイートへのリプライは2万件を超えている。Twitter Japanのツイートには約1400件のリプライが届いた。
NFTは、デジタル作品にブロックチェーン技術を活用した「デジタル証明書」を発行することで、現物がなくとも所有権や真贋を証明できる。
2021年3月にはTwitterCEOのジャック・ドーシー氏の初ツイートのNFTが約3億円という値で売却されている。日本でもVRアーティストのせきぐちあいみ氏が自作品のNFTを約1300万円で売却したり、人気ユニットPerfumeが振り付けのNFTを約325万円で売却するなど事例が増えている。それだけNFTの「デジタル資産の価値を担保できる」という特性が注目されているのだといえよう。
そして今回、世界中の人々が利用するSNSであるTwitterがNFTを発行するまでに至った。日本は海外よりもトレンドの波が遅れているとはいえ、米国と日本のTwitterだけが限定NFTを発行している。これは客観的に見ても、「日本においてもNFTの需要が高まっている」と見られている証拠ではないだろうか。
日本にも、着々とNFTの波が押し寄せている。「NFT」という言葉が一般的になる日もそう遠くはないのかもしれない。