MLB(メジャーリーグベースボール)は、スポーツ関連商品を取り扱うFanatics(ファナティクス)の会長であるMichael Rubin(以下、マイケル・ルービン)の協力を得て、NFT分野に参入することが明らかになった。スポーツNFT企業であるCandy Digital(以下、キャンディ・デジタル)と提携し、野球コンテンツをNFT化していく予定とのことだ。
本プロジェクトの第一弾となるデジタルコレクションは、かつて一世を風靡したLou Gehrig(以下、ルー・ゲーリッグ)選手にフォーカスしたコンテンツである。
ルー・ゲーリッグ選手はニューヨーク生まれで、1920年代から1930年代にかけてNew York Yankees(ニューヨーク・ヤンキース)で活躍した選手だ。数多くの打撃タイトルを獲得し、好成績を収めたため、「史上最高の一塁手」と称されている。
今回NFT化されるのは、1939年7月4に行われた引退スピーチ「Luckiest Man(ラッキエスト・マン)」の映像作品である。
ルー・ゲーリッグ選手は、神経系に多大なる影響を及ぼす難病であるALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断され、惜しくも引退を決意した。
2130連続試合出場を果たすなど、チームに大きく貢献したルー・ゲーリッグ選手を称えるため、ニューヨーク・ヤンキースは6月2日をルー・ゲーリッグ感謝デーに制定した。今回のNFT化は彼の記念日を祝福するための取り組みでもある。
MLBは今回のプロジェクトを通してALSの認知度を高め、ルー・ゲーリッグ選手が患った難病の治療法改善を目指している。
キャンディ・デジタルは、2014年に設立されたスポーツNFT企業だ。大手金融投資サービス企業であるGalaxy Digital(ギャラクシー・デジタル)の創業者Mike Novogratz(マイケル・ノヴォグラッツ)と、いくつもの事業を立ち上げる企業家、及び投資家であるGary Vaynerchuk(ゲイリー・ヴェイナチャック)が、マイケル・ルービンと協力して創設された。
キャンディ・デジタルは、Ethereum(イーサリアム)のブロックチェーン上で野球関連のNFTを展開していく予定だ。
MLBのコミッショナーを務めるRob Manfred(ロブ・マンフレッド)は以下のように述べている。
「キャンディ・デジタルとのプロジェクトによって、MLBファンにNFTを提供でき、野球コレクションの市場に新しい付加価値を与えられることが楽しみだ。」
NFTはスポーツ業界でも盛り上がりを見せている。
現在は写真や動画などのアーカイブがNFT化されるケースが多いが、今後はスポーツイベントのチケット販売や、キャンペーンにも活用されていくだろう。
スポーツ業界でNFTがどのような動きを見せるのか、今後に注目だ。
参考URL:
https://www.cnbc.com/2021/06/01/mlb-launches-into-nft-space-with-new-company-led-by-fanatics.html?&qsearchterm=NFT
https://www.coindeskjapan.com/111054/
アイキャッチ画像引用元:
https://www.sportsvideo.org/2020/10/20/t-mobile-mlb-to-produce-live-streamed-batting-practice-show-with-5g-powered-cameras/