新しい形のアーリーリタイアとして今注目されている「FIRE」。
FIREでは、大きな経済的成功の後にアーリーリタイアするのではなく、堅実な資産運用を行いながらミニマリストとして浪費を避け、最低限の生活でアーリーリタイアの実現を目指す。
特に20代や30代の若い年代には人気の高いライフスタイルである。今回は、FIREを実現するための計画の立て方や資産運用方法を中心に解説したい。
中島 翔
学生時代にFX、先物、オプションを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。あおぞら銀行でMBS投資業務に従事。三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワード、オプショントレーダー、Coincheckでの仮想通貨トレーディングとトレーダーを経験し、その後NYブロックチェーン関連のVCに所属しCWC株式会社を設立。
【保有資格】証券アナリスト
今話題のFIREとは
今話題の「FIRE」の語源は「Financial Independence Retire Early(経済的に自立した早期退職)」の頭文字から来ている。
これまでのアーリーリタイアの形は、経済的に成功した者が早期に引退し悠々自適な生活を送るイメージがあるが「FIRE」はそれとは全く異なる。
FIREは維持費のかかる自動車や高価な物は持たず、必要最低限の生活を資産運用によって行うライフスタイルである。
イメージとしてはミニマリストと呼ばれるものに近く、従来のアーリーリタイアのような派手さはないが、現実的、かつ堅実な自立手段として若者を中心に多くの支持を得ている。
FIREにはいくらのお金が必要なのか?
FIREの考え方は「資産を年利4%で運用しながら生活をする」というものだ。生活費が運用益を上回らない限り資産運用だけで生活ができるというのがFIREの基本戦略となる。
例えば、運用資産が8000万円の場合、年利で4%、つまり、320万円以内で一年間の生活費を賄う。ひと月あたり約26.6万の生活費はミニマリストにとっては十分な金額である。
もっとも必ずしもミニマリストとしてのライフスタイルを選択する必要もなく、月に100万円で生活する場合は、運用資金をあげれば良い。
一般にFIREに必要な金額は年間支出の25倍と言われる。
生活費が月に20万円の場合は、「年間240万円×25倍=6,000万円」の資金があれば「6,000万円×4%=240万円」となる。つまり、10万円ごとに3,000万円の資金が必要となるため、30万円の場合は9,000万円、40万円の場合は1億2,000万円が必要となる。
しかし、ここで注意したいのは税金だ。
日本に居住する前提で控除は考慮せず住民税は5%と仮定して、優遇税率15.315%が適用される投資を選択する場合、税率はトータルで20.315%となる。この場合、年利4%を実現するためには、年利約5.16%の運用益を上げなければならない。
もしくは、必要な資金の計算を25倍ではなく36倍に増やせば、年利4%の運用益の場合でも同様の利益が得られる。
FIREに向けた計画の立て方
FIREを実現する為には、目標金額と目標達成までの時間を算出する必要がある。
FIREへの第一歩として、まずは予定の生活費を超えない工夫を行いたいところだ。
例えば10年後にFIREを実現させたいのであれば、 FIREで実践する予定金額だけで生活を行い、それ以外を資産運用に回すことを考える。
仮に月の生活費が20万円で、税引き後の所得が月に30万円、ボーナスが年間4ヶ月分とした場合、毎月10万円(年間120万円)+ ボーナス分増資分80万円の年間200万の運用資金を捻出できる。
年間の生活費が240万の場合、FIREに必要な最低額の25倍は6,000万円であるため、このペースでは30年かかることとなり、FIREは実現できない。
そのため何らかの利殖が必要となる。
FIREの計画を立てる為には、以下の流れでプランニングすると良い。
- ①年間の生活費を決める
- ②年間の生活費の25倍のFIRE資金を算出
- ③年間の積立額を算出
- ④何年後にFIREしたいかを決定
- ⑤年間に必要な利回りを計算
ライフイベントなどの支出も考慮して①を年毎に算出することが望ましいが、難しい場合はファイナルプランニングができる下記のサイトなどを利用すると良いだろう。
このサイトでは、ライブイベントなどを考慮した細かなプランニングが可能となっている。
FIREを実現させる資産運用方法3つ
次にFIREを実現させるための資産運用方法について解説する。
これから紹介する方法は、どれか一つを選択するのではなく、必要に応じて組み合わせるとよいだろう。最も高い利益が期待できる方法である短期トレードは、最もリスクの高い方法でもあり、時間も労力も非常に必要とするものだからだ。
相対的に給料の高い会社に属しているのであれば、年間でかなりの額を積立投資に回すことができるが、 標準的な会社であれば短期投資も必要となってくるだろう。長期投資と短期投資の資産分配の適正な割合については、長期投資が7割、短期投資が3割を目安にすると良いであろう。
また、投資でも本業でも副業においても一番重要なことは「他者と比較したときに自分自身の能力の優位性を保ち続けること」である。このスキルは、FIREを本気で行いたいと思う方に必要であると強く伝えたい。
方法1:仮想通貨の積立投資とレンディング
FIRE実現に最適な投資方法の一つが積立投資である。理由としては、銘柄の選定さえ誤らなければ何もせずに着実に運用益を得ることができるからだ。とくに今なら仮想通貨の積立投資をおすすめしたい。
仮想通貨の積立投資を勧める理由は、今後の技術基盤となるポテンシャルを秘めていることが挙げられる。
2021年現在において向こう10年間というスパンで考えたとき、株価はどこかで大きな下落をするであろう。一方で仮想通貨はNFTマーケットプレイスに代表されるように、ユースケースでの利用が進んでいる。
これまでは仮想通貨投資は投機的な側面が大きかったが、昨今急速にユースケースでの需要が高まり、投機対象ではなく将来の技術基盤としての活用が期待されている。
そのため、仮想通貨の実需増加の可能性が高く、ポートフォリオには必ず組み込んでおきたいものの一つである。
仮想通貨積立をする場合は、一つの仮想通貨の投資割合を資産全体の5~10%にすると良いだろう。
積立ができる仮想通貨取引所は徐々に増えつつあるが、現状では積立金額の自由度や選べる仮想通貨の種類の多さとともに、NFTマーケットプレイスという面を考慮すると、GMOコインやCoincheckが使い勝手の良い取引所といえる。
また、これらの仮想通貨取引所では、保有する仮想通貨を貸し出すことにより年間数%の報酬が得られる「レンディングサービス」も利用できる。
ただし、残念ながら仮想通貨の利益に関しては、優遇税制の適用がなされず給与所得などとの総合課税となるため、利益が大きい場合は株やFXに比べて税率が高くなる。
給与所得などと合わせて年間所得が約645万以下であれば、税制面での不利はないと言って良いだろう。
方法2:FXや仮想通貨取引の短期トレード
リスクは高いが期待できる利益も高い資産運用方法がFXや仮想通貨取引の短期トレードだ。
株式投資に関しては、市場がオープンしている時間の問題で副業としての短期トレードは難しい。
もっとも、スイングトレードであれば株式投資でも問題はないが、 アクティブにトレードをしたいのであれば、FXや仮想通貨の方が都合がよい。というのも、FXは平日24時間、仮想通貨は365日24時間取引可能なため、仕事のない時間を狙ってトレードできるからだ。
所有する資産額にも寄るが、資産全体の20%~30%を短期トレードに投入し、年間の利回り10%を目指す堅実なトレードをお勧めする。
方法3:NFT投資
NFT投資は、基本的には長期投資に分類される。
NFT投資の場合は、いかに安く買って高く売れるかがポイントとなる。
そこで、値上がりしそうな銘柄を選定し、それを保有しておき、オークションなどの売買実績をチェックしながら高く売れそうな時に販売、またはオークション方式で売却すると良いだろう。
具体的な方法としては、高い人気を誇るNFT銘柄「NBA TOP SHOT」のパック販売にエントリーをしておくといった方法がある。パック販売では、将来的に値上がりする可能性の高い銘柄が安値で手に入るので、初心者でも比較的利益を上げやすい。
「NBA TOP SHOT」の銘柄については、以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はぜひこちらもチェックしてほしい。
【アナリスト監修】有名NFTマーケットプレイス「NBA TOP SHOT」でこれから伸びるNFT銘柄
【アナリスト監修】「NBA TOP SHOT」でこれから伸びるNFT銘柄PART2~記念関係編~
また、当サイトではNFT投資初心者向けにNFTの買い方や時事ニュース、投資手法などを紹介している。NFTとは何かをもっと深く知りたい方は、以下の記事も併せてご覧になるとよい。
【ツイートが3億円で売却】注目を集めるNFTとは?どこよりもわかりやすく解説する
チューリップバブルの再来か!?証券アナリストが語るNFTの持つ真の「価値」とは
【PR】これからNFT投資を始める方へ
NFT取引を楽しむ上で仮想通貨は必須となる。まだ仮想通貨の口座をお持ちでない方はこの機会に開設しておくとよい。仮想通貨取引所は国内外さまざまなサービスがあるが、日本円から仮想通貨への換金の必要性を考えると、国内取引所の口座は必ずひとつは持っておきたい。
有名な取引所はどこもサポート体制が手厚く、優劣はつけ難いが、NFT投資に取り組むのであればCoincheckがおすすめだ。Coincheckでは「Coincheck NFT」というサービスを展開しており、早くからNFT分野に力を入れている。加えて、ダウンロード数No.1、取り扱い通貨数国内最大級を誇り、多くの方から選ばれている。
- ダウンロード数国内No.1
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Coincheckの口座は無料で開設できる。今すぐ開設したい方は以下のバナーから手続きを進めるとよい。
また、他の取引所も検討したい方は以下の記事を参考にするとよい。
証券アナリストが考えるFIRE成功のポイント
FIRE成功の一番のポイントは、「規律を守ることができるか」という部分にある。まずは、年間の生活費を予算内でやりくりできるのか、またその生活に満足ができるのかをよく検討すべきだろう。
あくまでも最低5年から10年の長期投資をした上でのゴールがFIREであるため、当然、ある程度の忍耐力が必要となってくる。
短期投資をする場合でも、利益を得ることを急がずに長い目でみるスタンスが大切だ。堅実に経済的な自立を目指すのがFIREであり、すぐにアーリーリタイアしたい人にはそもそも合っていないと考えられる。
また、他者と比較したときに自分自身に強みがない場合もFIRE実現は難しいと考えた方がよいだろう。
FIREの難しさも知っておこう
FIREは元々、健全な経済成長を続けるアメリカで生まれたものであるため、デフレになれすぎた日本人には難しく感じられるかもしれない。また、他国と比較すると税金面で様々なディスアドバンテージはあるものの、仮想通貨独自のサービスやNFT投資などをうまく使うことで、FIREの実現は十分可能であると考える。
一方で、FIREという言葉に対し「自由気ままな生活」という印象を持つ人も多いだろうが、達成するまでには相応の努力が必要になることは重ねて読者に伝えておきたいポイントとなる。
流行りの「FIRE」ではあるが、達成できるのは一握りであることも併せて理解しておきたいところだ。
参考URL:
studyFIRE:https://studyfire.jp/
GMOコイン: https://coin.z.com/jp/
Adam byGMO: https://adam.jp/